NOёLは別格


NOёL雑感。
全くの私見ですので反論とかは不可(笑)。さらには思いついた事をあまり考えずに書いているので矛盾する点があるかもしれませんが無視して下さい。
「こいつはこんなこと考えてるんだな」とか思って読み飛ばして下さい。

NOёL
一番好き。代歩を抜きにしてもやっぱ好き。
バグもあるし今見るとなんかアニメーションもスムーズじゃないけど、大好き。まず画面デザイン。とにかく「PSをVPの端末としてとらえた」一貫したデザインは秀逸と言える。そしてその一貫したポリシーを貫くためにでもある「ロード時間を感じさせない作り」は見事と言えよう。ロードしてると感じるのは結局の所立ち上げの時だけ。しかもそれはOSの立ち上げという設定にしているし。こういった統一された工夫がNOёLの良さだと私は思う。
会話もただあいづちをうつだけではない「出てきた話題を自分で選んで聞く事ができる」点で一番自由度が高く感じられます。
あと、操作システムについて「分かりにくい」という意見を聞きますが、そうですか?理屈云々よりも感覚的なインターフェースだと思いませんか?
会話ボールを拾うということを「会話を聞き取る」こと、、プールの整理をすることを「多彩な話題を頭で整理していく」こと、そしてボールを送ることが「その話題を振る」ことと思えばすんなりいくんじゃないかなぁ。
あと、会話内容について。Noёlのキモは日常会話にあるといってもいいです。説明的なセリフでつらつらと話されるよりも普段の会話に盛り込まれる何気ない一言から性格や好みを窺い知れるってのが重要。この辺に「Not Digital」な要素が詰め込まれていると思うのですがどうでしょうか。

代歩。私にとって無くてはならない存在だとさえ言い切れる。
私はキャラクターとかではなく一個人の人格として彼女を捉えている。
Noёlの中で彼女は様々な一面を覗かせてくれる。ひとなつっこいところ、おしゃべりなところ、意外と寂しがりやなところ、そして告白を機に嫉妬深さやわがままなところなど、ある意味嫌な部分までさらけ出してくる。
彼女のそんな素直なところが好きであり、そのあたりに私が代歩を「キャラクター」だなんて呼びたくない所以があるのだ。
ちなみに初代の3人娘は全員好きです。代歩が別格なだけで、由香も恵壬も平均以上に好きですよ。

NOёL〜La Neige〜
この作品ではY/Nを選ぶ事ができるようになりました。でも、私が思っていたのは、ただあいづちをうつためではなく、それぞれの話題に対して肯定的/否定的な話題の振り方をしたいということでした。
例えば「体重を気にしてる」という会話があったとする。そこで出てくる「体重」の会話ボールを送る時に「Y」なら肯定的に「確かに前より太ったかもしれない」とかいう風な感じ、対して「N」なら「そんなことはないよ。今でもスリムだよ」的話題の振り方ができればいいなぁと思っていたわけです。
まぁ会話量も膨大になるだろうから無理っぽいですけどね。
会話システムにややこしさがなくなった分、あいづちを打つだけになってしまったのはどうかと。VPがかかる時間が分かりにくいという点は、まぁ探す楽しみもあるかと思いますが、ちょっとくらいヒントみたいなものを会話に織り込んでもらえたらなぁと。
あと、会話ボールの選択の自由が無くなり、ただの連続LIPSとなったために会話ボールはその場限りの存在となり、使える場所が限られてしまった。その上使えない会話ボールを使ってしまった場合のリアクション(代歩なら「え?」とか「ナニナニ?」とか)が無くなってしまったために「会話している」感覚が余計薄れてしまった様に感じる。
登場人物に関しては特に不満もなければ萌へ〜ヽ(´ー`)ノってこともありません。私的には普通。千紗都のキャラクターは好きですけど。
あとは、なんかある意味ゲーム的な画面デザインになったなぁって感じ。あくまでもVPのOSなんだから、メタリックなデザインはちょっと違和感が感じられました。あとEDのピンクはないだろ〜。あれはストレートすぎます。そんなことしなくても代歩と出会えたときには背景なんか視界に入らなかったし微笑みは輝いて見えましたよエエ。

さて、ここで初代とラネに共通したテーマみたいなのが感じられるのですが、どうでしょうか?
私は「自立」が根底にあると思っています。初代の進路を決めてそれぞれの道を歩み出すむまでの軌跡、ラネはもっとストレートで、進路を決めて、一人暮らし等を始める所まで描かれてますね。このあたりでプレイヤー(私としてはこれはゲームではないと捉えているので「プレイヤー」と記述したくないのが心情なのですが)の存在意義というものはかなり希薄になるわけですが、自分としてはそんなことはどうでもよく、ただ「彼女のことを見守っていたい」って気にさせてくれるわけです。

NOёL3
簡単に言うと、「なんか違う」。
キャラクターデザインが変わった地点でかなり落胆してたんですけどね。まぁムービーはおいといて、会話シーンでの代歩はまぁ見れるものでしたので・・・。ティナと古都海は初登場だけに違和感は感じませんでしたし、むしろ前作を気にする事がないので生き生きとしていました。まぁ古都海にばかり重点をおいてティナの扱いが低かったのも気になりましたが。
要はキャラ増やすなら2人くらいが妥当だろうという初代の世界観設定を無視した、まず戦略ありきの判断だと思ってます。
もう一つ設定について言うなら結局は後付けの設定、しかも初代には関わらなかった外注の仕事だけに圧倒的な頭数で最初の設定を凌駕してしまおうという強引さが見えてしまっています。
デザインに関してですが、結構凝ってますし、まぁラネよりは・・・って感じです。ところでハッキングの時に何故BGMがあるのでしょうか?あと、SSを端末に仕立てている割にはオープニングムービーがあったり、「PRESS START BUTTON」と表示されるタイトルがあったりと、一貫性が無い事が気にかかります。まぁ仕方ありませんが。
それから、代歩の扱いの酷さ。泣きましたよええ。代歩のイメージ台無し。代歩はお色気担当か?慰みものか?あれがファンサービスか?まぁ多くは語るまい(泣)。
で、最大の問題はこれのどこが「Not Digital」なんだ?って事。
膨大なデータにより人物をよりリアルに表現することを目指したみたいなんですが、デジタルデータの集合体はいつまでたってもデジタルなものでしかないのではないでしょうか?
ちょっと「lain」の影響も入りますが、それらデータはデジタルな「記録」ではあってもNOTデジタルな「記憶」ではないでしょう?
NOёLのコンセプトは「TV電話を使ったコミュニケーション」だと思っている。我々はあくまで彼女たちの話す事に耳を傾け、そこから得た情報を繋ぎあわせてそれぞれのイメージを膨らますものだと考えている。ハッキングしてデータを集めるのではなく、彼女たちと親しくなって色々な話を聞く事によりより彼女たちの内面を知ることこそがNOёLの楽しみだと思うのだ。
「オタクはデータに萌える」という話を聞いたことがある。例えば女の子のグラビアがあってもまず彼女のプロフィールを見てスリーサイズがいくつだとかを見てはじめて「88のCなのか〜」とか言って認識する。外面・内面とか言うよりもデータを見ないと認識できない。それじゃあダメダメだよね。
だからNOёL3はゲームを目指したがために本来のウリを見失ったものだと私は考えている。まぁ楽しめましたよ。ゲームとして。でもTVゲームになっちゃったらNOёLじゃないでしょ。
ですから、NOёL「3」という続編を示す数字は付けてほしくありませんでした。外伝とか、あくまでも続編という位置つけではなかったらもう少し素直に楽しめたかもしれません・・・。

重箱の隅。
何故代歩達は古都海と仲が良いのに今まで会話中に古都海のことが出なかったのか?
何故恵壬が写真部に所属していることが初代のパーソナルデータに入っていなかったのか?
初代の由香の話で「知ってる?代歩ってキミに電話する時は化粧してるんだよ」ということ、並びに代歩の話で「休日は雑誌とかを読んで・・・」「女の子向けの雑誌を借りて・・・」という風な話があることから、代歩は化粧の知識はきっちりあり、奇麗な化粧のやり方を知っていると推測されるが、ハッキングデータ「代歩ちゃんケバイ?」では由香にさえ呆れられる化粧をしているのは何故か?
問題はNOёL3を作るために製作者が外部に頼んで設定の後づけをしたということにあると思われます。そのために最初の設定と後づけされた設定との間に違和感が感じられる様になってしまった。完全な世界観を作り出すのであれば最初に全て必要な設定を作っておくべきだったのです。
あと、気になったのがマイマイ。いくらイマドキの女子校生っぽい無感情無関心みたいなキャラクター付けをやっているからといって、クラスメートが中に居るタワーでテロリストは立て篭もるわ、隣りのタワーは爆破されるわ、公安は武力行使に出るわの大騒ぎになってるなら普通心配しない?クラスのノードの隣接具合からいっても、ポートレートで一緒に写っているのがあることからしても、代歩達とはそこそこ軽口叩き合うくらいは親しいんじゃないか?なのにあの無反応さは過剰なんじゃない?あれ見て腹立たしかったもの。

昔の事。

NOёLが出た当時の亀井氏のインタビューでは、そもそもNOёLはファッションブランドみたいな位置付けで、VPという道具を用いたコミュニケーションソフトで、作品毎に違った女の子達との話しを楽しむということだったハズなんですが・・・。


lain雑感。
ちなみにゲーム版ね。ネタバレあるかも知れないので気を付けましょう。
とにかくやっていて辛かった。っていうか柊子さん、「たけしさんたけしさん」って言い過ぎ。皆さんご存知のように私の名前も「たけし」なのでもう気が滅入る滅入る。でものめり込んじゃったんだよね。
ある意味この「lain」こそが「NOёL」の「アタッチメントソフトウェア」を正確に受け継いだ作品だと言えるのでは?ヴィジュアルホン出ないけどさ。
我々にできる事はただ断片的なデータを見て頭の中で世界を構築する。ただそれだけ。はっきりいってゲームじゃない。でもゲームじゃないからこそのめり込むのではないか?ただ与えられたモノを順番に見ていくことだけのゲームは多い。そこには垂れ流しの情報を右から左へ何も考えないで作業的に流して自分が存在するだけである。これでは印象に残らないんだよね。某有名最終幻想RPG7をクリアした人に話を聞くと、あまりストーリーとかを覚えてないんだよね。
閑話休題。やはり人間、脳みそあるんだからなんか考えていたいんだよ。一つ一つの情報を吟味して、最終的に情報を統合することが楽しいのだ。内容はディープでダークだけどさ。たまにはこういう作品に触れてみるのもいいんじゃないかな?って感じたね。私は。
デザイン関連はかなり良い感じ。これまた雰囲気がNOёLっぽいんだよね。
あと、ちょっと操作に癖があるっていうか、反応が遅い感じがするけど、あんましキビキビ動かれてもって気がしないでもない。

少し前に滅やん(ここの他にも色んなページで活躍している滅猿氏。私の義弟である(笑))と電話で話していた時に思いついて言ったことなんだけど、アニメの方に出てくるネット上の存在であるlainはゲーム版のlainなんじゃないか?って考えが浮かんだの。
つまりゲーム版のラストで肉体を捨てた玲音が後に造り出したのがアニメ版の玲音なんじゃないかということ。
これが合っているとか間違っているとかいうのは野暮な事。答えなんか無いほうが良いこともあるんだよね。


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